リュンヌフェリーヌエクストラリットは、素晴らしいバニラの香りの典型である。最初はシナモン、カルダモン、ピンクペッパーがとても暖かくスパイシーに広がる。その後、シダーとアンバーグリスによるウッディで塩辛いフレッシュさがほのかに残る。ここからバニラが輝き、主役となる。ソフトで甘くデリケートでありながら、なぜかダークで荒々しく、わずかにアーシーでもある。これはおそらく、この香りに中毒性のある動物的資質を与えているスチラックスとペルーバルサムによるものだろう。 この香りはアンバーによく似ているが、アンバーとみなされるのに必要なノートが欠けている。とはいえ、これは素晴らしいバニラであり、バニラ中心の香水の創造的で複雑な側面を如実に示している。体験する喜びは格別だ。
影の向こうから見守るフードをかぶった姿。しかし、何の影なのか、そしてなぜ影があってはいけない場所にいるのか? 侵入する不気味さ、混乱を招く対比、間違った場所で見つかったもの。触れない方が良いものがかき混ぜられる。樹脂のような蘭のムスク、野生的で温かく、腐った土の湿気。ミルキーな濁り、死者の目を通して見るような。埋もれた蜂蜜の香辛料、シナモンとカルダモンの発掘が先延ばしにされ、地面が間違っている、テロワールに潜む恐怖。無限で恐ろしい未知、奇妙で不気味な肉体的な臭気が、あまり悪くない香りとして再解釈される。実際、ちょっと素敵。